転職サイトのサービスは【無料】ではない?

夏休みを挟んで間が空いてしまいましたが、今回の投稿では、これまで「転職ノウハウ」のラベルを付けたエントリで取り上げて来た転職サイトについて、その出で立ちと、利用者の向き合い方を考えてみたいと思います。


■転職サイトは元々コンビニ等で売ってた求人誌

転職サイトは「レジュメ登録」や「求人企業検索」、「スカウト」等、Web
上で多種多様なサービスを展開しており、利用者はこれらのサービスを無償で利用しています。

では、転職サイトはボランティアでこのようなサービスを利用者に提供しているのでしょうか?...そんなわけはありません。
求人サイトは元々紙媒体だったものが、1990年代後半からそれを補完する形で出て来たWebサイトに徐々に乗っ取られ、ついには紙媒体が無くなり今に至っています。
自分が就職した当時は、コンビニに行くと普通に分厚い「テクノロジービーイング」が売ってたりしたんですけどね...

さて、転職サイトが紙媒体だった時代、収益モデルは今の新聞と同様に、「店頭での媒体販売料」と「企業からの媒体への掲載料」で賄われていました。しかし、これが転職サイトに切り替わった事で、少なくとも「店頭での媒体販売料」は絶たれてしまいます。
当時「テクノロジービーイング」の店頭価格は確か200円〜300円程度だったかと。

そうなれば、収益は「企業からの媒体への掲載料」だけで利益を上げざるを得なくなりますが、ここで転職サイトは、今までの紙媒体では存在しなかった「新たな価値」を企業に提供し、そしてそれを認知させる事に成功します。
その「新たな価値」が、利用者が転職サイトに掲載するレジュメなのです
利用者側から金を取るビジネスモデルの転職サイトもあるようです。


■転職サイトから見れば、登録ユーザは転職サイト運営者の「商材」

例えばリクナビNextであれば、公式サイトを見ると「179万人の登録者」数をうたっています。これを企業側から見ると「属性別に分類された転職候補者179万人分のデータベース」へ簡単にアクセス出来る事を意味するわけです。

自社Webサイトで、不特定多数の閲覧者向けに求人募集のページを作成する事に比べ、一般的には、転職する気が多少でもある人たち179万人分の名簿を使って直接アプローチをかけていく事がどれほど効率的か、容易に想像がつくと思います。

ちょっと古い情報のようなのですが、求人企業からリクナビNextへの掲載や利用者へのDM送付時の料金が記載されているリクルートの代理店サイトを見つけましたので、ご参考までに掲載しておきます。
http://www.b-ing.net/next/price/index.html

求人募集掲載は、通常価格で18万(600文字/2週間掲載)〜180万(1600文字+フリーデザイン+社員の声掲載欄等フルオプション/4週間掲載)で、掲載回数や期間に応じてディスカウントが入り、DM送付は28万/200通が基本で、コレに追加メニューやディスカウントが入る形態となっていました。
個人的には「いい値段取るなー」と思いましたが、コレも179万件のレジュメがなせる強気のビジネスという事なんでしょうかね。


■転職サイトを「Tool」としてうまく使いこなす

個人的には、このように自分のレジュメが「商材」となっている現実に、正直あまり良い気分はしませんが、それであれば、その商材を対価に利用出来るサービスを自分として都合よく使うまでと腹を括るのが、うまいつきあい方になるのではないかと。

例えば、リクナビNextのレジュメは、「プロフィール(年齢や住所、学歴、資格等)から今までの職務経歴等を、極めて微細にわたって記録出来るような様式になっており、かつ企業側からは、これら入力値に基づいて、自社が希望に近い求職者を用意にフィルタリング出来るようになっています。

これらの内容は、おそらく今まで紙媒体時代から培われた企業側が求める要望を少しずつ取り込んで来た結果と思われ、個人として今までの仕事を棚卸し、まとめるフォームとしても良く出来ていると思います。

昔、転職エージェントからレジュメ提出を求められたときに、仕事が忙しくて一からレジュメを作っている時間が取れず、止むなくリクナビNextのレジュメのページを元に、ちょっとHTMLを編集しただけでPDFに出力して渡したところ、特にクレーム等なくそのまま内定まで進んでしまった事がありました(その会社には転職しなかったのですが)。

リクナビNextにはレジュメチェックツールなるものもあり、未記入や記入不足等あるとツールがそれを教えてくれるのですが、おそらくは上記のフィルタリングを行う際の検索キーに不足があると教えてくれるような仕組みと思われますので、レジュメを登録する際には、面倒がらずにおとなしくレジュメチェックツールの言う事を聞いておくのが吉と思われます。

ちなみにリクナビNext以外の転職サイトでは、私が知る限りリクナビNextほど微細にわたってのレジュメ登録は出来なかったと思いますので、まずはリクナビNextでレジュメを作っておいて、その後にそのレジュメを元に他の転職サイトにコピペ登録していくのが最も手っ取り早いです。

一方で、一度レジュメを登録すると、割と高い頻度(確か1ヶ月程度)で「更新しろ」DMが届いてちょいとウザイです。求職活動中であれば、なるべくDMに従い更新をしてあげた方が上記の企業からの検索ヒット率もあがるのでしょうが、既に内定を取れた等、事が落ち着いているのであれば、放ったらかしでも良いと思います。

転職サイト側からすると、古いレジュメばかり登録されている状態だと、その分レジュメDBの価値が下がりますので、必死で更新を促しているのだろうとは思いますが。


■転職サイトと直接応募で何が違う?

しかしながら、転職サイトを使わずに転職先が見つかるのであれば、個人的にはわざわざ時間をかけて転職サイトにレジュメを登録する必要は無いと思っています。
例えば新聞広告や企業のWebサイトに直接求人案内が掲載されているケースです。

自分が知る限り、上記のどのルートから応募が来ようが、企業側から見た時の違いは何らありません。自身が転職したいと考えている企業についてある程度的が絞れているのであれば、スピード優先で直接応募した方が手っ取り早いと思います。

また、直接応募については、個別企業のWebサイトもさることながら、日経新聞をはじめとした経済誌産業紙、および特定業界をターゲットとした業界紙の求人欄は、掲載企業を見るになかなか侮れないものがあると思いますので、ぜひチェックされる事をおすすめします(業界紙は一般には入手しづらいですが、会社で購読していたりする事も多いのではないかと)。

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