低学歴はダメなのか?

寒い日が続きますね。自分は何とかチャリ通を続けています(さすがに雨の日は電車で行きますが)。そんな中、前回のエントリで購入に至る顛末を書いたデシカメで、通勤路での写真を撮ったので、1枚Upしてみます。
薄目開けて見ると、何とかジオラマっぽく見えるか・・・

試しにジオラマモードを使ってみました。カメラ側でアングルを自動で判断している様で、ある程度自動でぼかし位置等表示してくれはするものの、何処撮ってもジオラマ風になるという訳では無さそうです。

お話がずれましたが、引き続き、お題に掲げた「低学歴はダメなのか?」について考えてみたいと思います。


■進学率の現状

実は当初、自分が専門学校中退で最終学歴が高卒でも、「当局の急襲がきっかけで、システムの現場を外れる事に(後編)」に書いた通り何とか部長まで昇進出来た事から、単純に「学歴なんぞ気にしてる暇があったら、自分の仕事で実績を作った方がエエで」という方向で文書を纏める事を考えていました。

しかし、裏を取る為に「学歴」をキーワードにググってみたところ、こちらに書いた自分が就職〜20代に転職した頃と比べ、思った以上に状況が変わってしまった事が分かりました(自分が無知なだけかもしれませんが)。

まず今時の進学率はどんな感じか調べてみたところ、以下の結果に(wikipediaの「進学率」ページが分かり易く纏まっていたので引用してます)。

大学短大高専専修
198924.711.70.516.0
199024.611.70.516.9
199125.512.20.517.3
199226.412.40.517.8
199328.012.90.618.2
199430.113.20.618.5
199532.113.10.618.9
199633.412.70.619.4
199734.912.40.619.5
199836.411.80.719.4
199938.210.90.720.0
200039.79.40.720.8
200139.98.60.720.8
200240.58.10.721.7
200341.37.70.823.1
200442.47.50.823.8
200544.27.3
200645.56.8
200747.26.5
200849.16.3
200950.26.0
高等教育機関への進学率(男女)
(資料出所:学校基本調査)

1999年以降は大学、短大の合計で進学率が50%を超え、2009年には大学単体で50%越えに至っているではあーりませんか。ちなみに自分が就職したあたりの1990年前後の数値を見てみると、大学が概ね25%前後、短大は12%前後でした。

どうもwikipediaの「大学全入時代」に記載されているこちらの内容が一因になっているようですが、結果だけ見ると既に10年前から大卒・短大卒以外の人たちはマイノリティになってしまっています。技術用語でに置き換えると「キャズム越え」と言える状態です。

こうなってしまうと、当然求人も「大卒以上」を条件に掲げる事が普通になってしまいます。自分が転職活動をガンガンしていた20代の頃は、そこそこ良い会社でも「学歴不問」で募集かけていたりしたのですが、最近はそんな会社もめっきり減ったような気がします。


■進学率と失業率の関連性


では大学を出ていない事で、実際にはどのくらい不利になるのでしょうか。
同様にググって見たところ、こちらのサイト「Garbagenews」に直球ど真ん中の統計が纏まっていました。以下グラフを引用します。


まず「教育別完全失業率」ですが、注目すべきは「大学・大学院卒」とその他の学歴を持つ人の間での乖離で、2000年のITバブル崩壊や2008年のリーマンショック等の景気悪化のタイミングで乖離が増えている事が分かります。
景気が悪くなると低学歴ほど悪影響を受けるという、ある程度想定される結果ではあるものの、このように数字で見せつけられるとインパクトが有ります・・・


続いて、「年齢階級・最終卒業学校、就業形態別若年労働者割合」ですが、こちらも「大学・大学院卒」とその他の学歴を持つ人の間で、非正規雇用者の割合が10%以上乖離しています。ということは、その分低学歴の人は正社員雇用への道がより厳しくなるという訳です。

これらの傾向は前述の「キャズム越え」が大いに影響していると思われ、今や低学歴である事だけでかなり不利な状況におかれてしまう事が分かります。

グラフを引用させて頂いたページには失業率の説明において
「これらのデータはあくまでも数字的に「学歴が高い方が失業率が低い傾向にある」という失業率の一側面を示しただけであり、「高学歴万能主義」の肯定・否定はまた別問題」
とコメントされている一方で、正規雇用、非正規雇用の説明にて
「非常に厳しい話ではあるが、現実問題として受け止めねばなるまい。」
とコメントがされている事からも、「低学歴がダメとは言わないものの、低学歴で後になってから就職や転職で苦労するくらいだったら、大学受験で先に苦労しておいた方がマシ」と言えるのではないでしょうか。



■やはり低学歴では厳しい?


では、自分のように既に取り返しのつかないところまで来てしまっている低学歴のおっさんは、もうどうしようもないのでしょうか?
いやいや、希望を捨てる事は有りません。前述の通り、非常にハードルは高いと言わざるを得ませんが、一筋の光が指す記事を見つけたのでご紹介したいと思います。

転職に「学歴」はどれほど関係があるか ~ 経済評論家・山崎元のビジネス羅針盤
以下、引用します。
転職の場合、学歴の影響は、新卒就職の場合よりも顕著に低下する。
先ず、転職、即ち、採る側から見ると中途採用の場合、採用後にどんな仕事をさせるかがはっきり決まっている場合が多い。この場合、採用する側の第一の関心は想定する仕事をこなす能力であり、候補者が過去にどんな仕事をしていて、仕事を通じてどのような能力を発揮したか、ということなので、人物評価における学歴のウェイトは、新卒の採用時よりもずっと軽くなる。これは、ほぼどんな職種・会社でも間違いのない傾向だ。
もう一つの理由は、中途採用の選考の場合、新卒者の採用よりも、候補者一人に使える時間が豊富にある場合が多いということだ。学歴を意識的に考慮に入れる面接官であっても、使う時間が長くなれば、面接で受ける印象が相対的に強化されて、学歴のウェイトは相対的に低下する。
また、全ての面接官がそうだというわけではないが、面接官自身が、学歴に拘らずに、人物本位で採用しようと意識している場合がある。この場合も、同じ心掛けの面接官が新卒者の選考に使える時間や情報よりも、中途採用の応募者の方が、採否に関わる情報が豊富だし、選考に使える時間にも余裕がある。
敢えて言えば、学歴がものをいうのは書類選考の段階だ。この段階で、候補者が多い場合、学歴から受ける印象が二次選考である面接に辿り着けるかどうかに影響することはある。しかし、学歴以上に、候補者の現職・前職での仕事の内容が影響するので、やはり、転職にあっては、学歴の影響はそう大きいとはいえない。

記事を執筆されている山崎元氏は、経済評論系のWeb記事が掲載されているのを良く見かけますが、53歳までに転職を12回されているとの事で、キャリア関連の記事も良く書かれているようです。
山崎氏自身は東大卒との事で、高卒の自分からすると目もくらむばかりなのですが、上記に引用した記事の内容は、今までの自分の転職履歴を考えれば、大いに同意出来るものであり、また心強いものです。
仕事の実績が認められ転職出来たのであれば、その実績を元に転職先の会社に貢献出来れば、日常では学歴等をほぼ意識する事無くサラリーマンライフを過ごす事が出来るでしょう。

しかし「敢えて言えば、学歴がものをいうのは書類選考の段階だ。」というのも事実で有り、採用を迷うような候補者が複数いれば、書類スペックがいい人が残るのは必然でしょう。
そこで自分は「ブラック企業の見分け方?」にも書いた「知人の紹介や縁故での採用、転職を検討する」(=コネ入社)事を強く推奨します

リンク先では自身が転職先を知る方法として紹介していますが、逆に言えば転職先候補となる会社にも、面接や書類選考では表現しきれなかった自身の情報を紹介者から説明してもらえる事から、これが採用時の最後の一押しになる可能性が高いと考えられる為です。


■まとめ

という事で、改めで、「低学歴はダメなのか?」
  • ダメではない!けどいろいろハードル高い。2009年には大卒者が50%を超え、既に大卒以外がマイノリティー状態。
  • 特に不景気が続く現状においては貧乏くじ引く可能性も高くなる。
  • しかし転職市場においては、学歴だけで評価される訳ではないので、低学歴でも仕事っぷりで評価される余地はある。
  • 低学歴の書類選考は、あらゆるコネを使ってクリアするのがおすすめ
より具体的なお話は、別途「転職ノウハウ」として纏め、投稿します。


ここまでご覧頂き、有り難うございます。
当エントリを含め、これまでの転職履歴で得た経験から、仕事に向かい合う為に必要なテクニックや、メンタリティ・思いを抽出し、「お仕事サバイバル」のページにまとめました。
また、「お仕事サバイバル」のネタ元となる、就職からアラフォーの現在に至るまでの8回に渡る転職履歴について、「転職履歴」のページにまとめています。 
それぞれ、あわせてご覧頂けますと幸いです。

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