派遣は悪なのか?派遣のお仕事3つのポイント

このBlogはzenbackというblogパーツを使って、当サイトの投稿と関連するブログ記事との相互リンクをしているのですが、以下のニュースをきっかけに相互リンク経由で当サイトにアクセスいただいた方が複数いらっしゃったようなので、これをネタに自分の所感をまとめてみたいと思います。
有期雇用、上限5年に=通常国会に法案提出へ―厚労省


■派遣=悪は本当か

この記事、2ちゃんのコピペBlogから自分の過去の派遣時代の投稿に相互リンクされていたようで、リンク元を見に行ったところ、ネガティブなコメントで埋め尽くされていました。こちらのWikipediaのページに派遣業務の概要や一般的に認知されている課題が概ねまとめられており、先に取り上げたニュースと合わせてざっと読んで頂けると、派遣業務、および当該記事の背景が理解できると思います。
[要出典]とされている箇所も多い為、記載内容の解釈には注意が必要です。

個人的にも派遣という業務形態には諸手を挙げて賛成することは出来ませんが、そもそも派遣会社にしろ、派遣会社の顧客になる企業にしろ慈善事業をやっているわけではなく、収益を上げるために血眼になっているわけで、明暗があるのはある意味当たり前だと思っています。
ですから、もし個人が派遣業務を検討するのであれば、派遣会社の宣伝文句にあるような甘いお話を鵜呑みにして、彼らにおいしいところを持ってかれてしまうのではなく、こちらが派遣の仕組みをうまく利用してやるくらいの勢いで派遣先の企業紹介を受けるのが良いと思うのです。



■派遣のメリット、デメリットを再考する


派遣の問題点は先のWikipediaのページにまとめられている他、世間一般でもさんざっぱらいわれている話なのでここでは割愛し、個人から見た派遣のポイントをまとめてみたいと思います。
以下のまとめは、自身の経験からこちらのページに記載される26の業務であれば概ね適用可能と思われます。しかしながら、例えばWikipediaのページに記載される「日雇い派遣」や製造業の単純労働派遣等は適用が難しいと思われますので、念頭にお読みいただければと思います。


■正社員雇用に比べ敷居が低い
例えば自分の場合、「専門学校中退」「職歴はゲームの下請け会社で2年未満」という状態で、わずかとはいえ外資系コンピューターメーカーに派遣で務めることが出来ました。これ、正社員としてその会社で働こうとしても、まず間違いなく無理だったと思います。
ちなみに外資系コンピューターメーカーへの派遣の話と並行して、「国内金融機関のイギリス法人で、半年~1年程度の期間でのCOBOLの仕事」なんていう事案もありました。海外で仕事ができることに相当魅力を感じましたが、(一応中退した専門学校で習っていたとはいえ)COBOL嫌い」「英語出来ない」で迷っているうちに応募が終了してしまいました。もしこの話に乗っかってたら、今の人生も変わっていたかもしれません。
自分のように、職歴・学歴等で正社員雇用の選択肢が限られてしまう方は、派遣をうまく使った仕事探しは有りなんではないかと思います。


■職務経歴は正社員・派遣の分別なく、職務内容そのもので評価される
(単純労働を除き)派遣の仕事は即戦力を求められる事が多いため、アサインされる仕事の内容もある程度の専門性を期待される事が多いと思います。ですから、与えられた仕事をきっちりこなせば、自分がこなした仕事は将来異なる派遣先に行く時や転職活動をする際に、職務経歴書へ胸を張って書く事が出来ます。自身の立場が正社員であろうが派遣社員であろうが、自身でこなした仕事の内容自体は変わらない訳です。自分の過去の経験でも、転職活動の際に派遣時代の仕事を相応に評価頂けたから今が有ると思っています。
また、自分はこの辺の仕事をしていた際には、採用側の現場担当の一人として面接官を何度となく担当しましたが、現職がスキルがヘボイ正社員か、会社としてほしいスキルを持っている派遣社員のどちらか選べといわれたら、間違いなく後者を選択します。まぁ当たり前の話ではありますが。
逆に派遣社員である事を理由に職歴を評価しないような会社が(滅多に無いとは思いますが)有ったとしたら、それは派遣先企業がろくでもない事の証左になりますので、とっとと見切りをつけた方が幸せだと思います。


■勤務時間等、正社員に比べ裁量が認められるケースが多い
正社員になってしまうと、自分の仕事が終わっても帰れないような事態がよく発生しますが、派遣社員の仕事は、契約書により原則職務内容と勤務時間が決めうちされる事が多く、アサインされたタスクを予定通りこなしていれば、時間の裁量はこちらに任せてもらえる事が多いと思います。
少々極端な例ですが、例えば正社員雇用が目指す目標で、採用が確定するまでの間だけ派遣でお仕事をしている場合は、(前もって話を通しておけば)業務時間中に正社員採用面接に行く事も不可能では有りません。
逆に派遣先の企業が許せば、定時過ぎまでこんを詰めて仕事する事も出来る訳で、派遣先でアサインされた仕事が面白ければ、詰め詰めで仕事をしても問題視される事は多くないと思います。
正社員に比べ、総じて自身の裁量でコントロール出来る範囲が大きいと思われます。




■派遣は短期雇用向けの制度である事を忘れてはいけない

今回、元記事は「契約社員や派遣社員など期間を定めて契約を結ぶ「有期雇用」期間の上限を3年から5年にした」という話ですが、期間が多少変わろうが、そもそも法や制度自体が短期雇用をターゲットにしている趣旨は変わらないわけで、それよりも長く働こうとしても、個人を守ってくれるような制度設計になっていません。
ですので、利用する側はあらかじめこれを織り込んだうえで動くのが賢い選択になるわけです。同じ職場で3年も派遣で仕事をしているのであれば、派遣切りに会う前に、あらかじめ3年間の経歴を元により良い派遣先を探すとか、正社員への転職を探るなどの対応が必要となる事を念頭に置いておけば、派遣会社や派遣先企業に良いように使われてしまう可能性も低くなるのではないでしょうか。

メディアを見ると雇用の厳しさを訴えるニュースが目立ちますが、リーマンショック以降の雇用環境はこちらの統計資料を見る限り、東日本大震災の痕跡は残るものの徐々に日が射しつつあるように見えます。

仕事探しに苦労をされている方は、世間一般で言われていることに対し、少しだけ見方を変えてアプローチすることで、足掛かりをつかむ可能性が広がるのではないかと思います。


ここまでご覧頂き、有り難うございます。
当エントリを含め、これまでの転職履歴で得た経験から、仕事に向かい合う為に必要なテクニックや、メンタリティ・思いを抽出し、「お仕事サバイバル」のページにまとめました。
また、「お仕事サバイバル」のネタ元となる、就職からアラフォーの現在に至るまでの8回に渡る転職履歴について、「転職履歴」のページにまとめています。 
それぞれ、あわせてご覧頂けますと幸いです。

1 件のコメント :

  1. とても魅力的な記事でした!!
    また遊びに来ます!!
    ありがとうございます。。

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