正月も明けて、すでに仕事始めとなった方も多いと思います。自分も1月4日から出勤なので、ここで正月気分を切り替え、年初に「今年の抱負」で取り上げたお題を元に、通常の週1ペースでblogを更新して行きたいと思います。
今回は、今までのサラリーマン人生を振り返って一番しんどかった上司とのやり取りをしたときに考えた事を元ネタにします。
■上司が話を聞いてくれる方法を考える
当時自分はインストラクター時代のクセで、仕事での説明やメール・報告書などについて、良くいえば「丁寧」、悪くいえば「長い」「回りくどい」と評される事が多かったのですが、それまで仕事上で話が通じなくて困る事も無く、「自分は「丁寧」が売りなんだ」くらいにしか思っていませんでした。
しかし、ここの会社に来てからというものの、全く話を聞いてもらえず、またメールを送っても開封こそしているものの内容を読んでもらっている気配すら有りませんでした。そしてこちらにも書いたように、IT土方一直線という切ない事に・・・(涙)
「さすがにこのままではマズいだろ自分」と考え、なにがしかよい手は無いかと考えた末に見つけたのが、書籍「ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)
」でした。目次を見ると「自分にしか見えない病」「なぜ、相手に自分の「答え」が通じないのか」と、まさに自分が思い悩んでいる課題に直球で効果を発揮しそうなお題になっているではあーりませんか。
早速本を入手し実践してみます。ポイントは以下の3つ。
感動した自分はこの手法をメールや報告書等ありとあらゆるアウトプットに適用しました。結果、うまくいったかというと・・・ダメでした。やっぱりまともにメールや報告書を読んでもらえません。
そこで再度「何で読んでもらえないか」という事を考えました。で、出た結論は、「まともにメールや報告書を読む時間がない」という事実でした。こちらにも書いたように、当時は「ネコの手も足りないほど忙しい」状態だったので、落ち着いてメール等を読む時間は限られていたのです。
■話が長いと聞いてもらえない
そこで自分のメールや報告書を振り返ると、「長い」んです、内容が。
上記の「MECE」と「So what? / Why so?」をある程度きっちり書こうとすると、どうしてもメールや報告書が長くなってしまいます。一方でメール送付先や報告書を提出する相手方は、必ずしも背景や根拠を必要としておらず、「結論」だけで十分で時間もないのに「こいつ空気読めてねーな」状態だった訳です。
そこで、「エレベータートーク」をヒントにして、アウトプットに以下の「もう一工夫」をこさえる事にしました。
どれもメールや報告書のサイズを小さくする事を目的としていますが、サイズを小さくする際に削るもの、残すものをどう判断するかが重要になります。何も考えないで削るとどうしても自分が主観になってしまいますが、目的はあくまで「読んでもらう事」で有る為、「読む相手」にとって重要と考えられる事項を極力残し、他は大胆に削除するくらいでちょうど良いのです。
ありがちな話として、MECEの要素の1つに自分の得意分野やアピールポイントが含まれていたりすると、どうしても文書構成がその要素に偏りがちになったり、ボリュームが膨らんだりしがちになってしまいますが、殆どの場合は「結果さえ伴えばその前提条件やプロセスは最低限で構わない」というケースと思われますので、「肉を切らせて骨を断つ」ごとく、相手に結論を飲ませる為に最適化を図るのです。
■実は話を聞いていても、意をくんでもらえない事も
さて、ここまでやって、ようやく上司にメールや報告書を読んでもらえる様になったでしょうか・・・やっぱりダメでした。
何故なら、上司は「メールや報告書を読んでいなかった」のではなく、実は「読んでいた」のです。しかし、上司の主義主張と自分のメールや報告書の内容がそもそもマッチしておらず、いくら論理的に纏めようが、内容を圧縮・最適化しようが自分の意見が通る事は無かったのです。
しかし、自分の直属の上司には読まれずとも、これらの努力が元となり、その上の上司や、業務で関連のある他部署のマネージャーにメールや報告書を読んで貰えた事で、徐々に形勢を覆す事が出来たのでした。
自分は今でも、ちょっとしたリマインド系のメールを除き、殆どのアウトプット※で上記のやり方を続けています。しかし今でもたまに気を抜くと「メール長い」「報告書も要旨のみで十分」と突っ込まれたりするので、まだまだ修行が足らんと自分を戒めています。
※このblogは思いのままに書いているので、例外という事で・・・
なお、個人的な所感では、社内でのポジションが上がれば上がるほど、今回の投稿に記載した要件に対するハードルが上がって行くと感じていますので、自分のアウトプットに対する見直しは早ければ早い程よく、また継続的に取り組む事を皆様にお勧めします。
■おまけ:MECEって万能?
「MECE」と「So what? / Why so?」を愚直にやろうとすると、前述の通り文書のボリュームはふくれる一方です。そもそもこの手法はコンサルティングファームから生み出されたものであり、彼らの職域では漏れが無く、論理的な破綻が無い事が業務上の優先順位として高い事もよくよく理解出来るのですが、その手法を使う自分を含めた全ての方が「コンサルタント」の立場で仕事をしている訳では有りませんので、個人的には、あくまで自分の立ち位置やポジションから、ある程度内容にバイアスが掛かっても良いのではないかと思っています。
またこの手法でアウトプットがふくれる事がコンサルティング報酬を膨らます事と比例しているのではないか?と穿った見方をしてしまうのは、自分だけではないのでは?(お役所等は、未だに報告書の厚さ=仕事の量だけではなく質的に評価される等という噂もちらりほらり聞きますし)。
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■話が長いと聞いてもらえない
そこで自分のメールや報告書を振り返ると、「長い」んです、内容が。
上記の「MECE」と「So what? / Why so?」をある程度きっちり書こうとすると、どうしてもメールや報告書が長くなってしまいます。一方でメール送付先や報告書を提出する相手方は、必ずしも背景や根拠を必要としておらず、「結論」だけで十分で時間もないのに「こいつ空気読めてねーな」状態だった訳です。
そこで、「エレベータートーク」をヒントにして、アウトプットに以下の「もう一工夫」をこさえる事にしました。
どれもメールや報告書のサイズを小さくする事を目的としていますが、サイズを小さくする際に削るもの、残すものをどう判断するかが重要になります。何も考えないで削るとどうしても自分が主観になってしまいますが、目的はあくまで「読んでもらう事」で有る為、「読む相手」にとって重要と考えられる事項を極力残し、他は大胆に削除するくらいでちょうど良いのです。
ありがちな話として、MECEの要素の1つに自分の得意分野やアピールポイントが含まれていたりすると、どうしても文書構成がその要素に偏りがちになったり、ボリュームが膨らんだりしがちになってしまいますが、殆どの場合は「結果さえ伴えばその前提条件やプロセスは最低限で構わない」というケースと思われますので、「肉を切らせて骨を断つ」ごとく、相手に結論を飲ませる為に最適化を図るのです。
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さて、ここまでやって、ようやく上司にメールや報告書を読んでもらえる様になったでしょうか・・・やっぱりダメでした。
何故なら、上司は「メールや報告書を読んでいなかった」のではなく、実は「読んでいた」のです。しかし、上司の主義主張と自分のメールや報告書の内容がそもそもマッチしておらず、いくら論理的に纏めようが、内容を圧縮・最適化しようが自分の意見が通る事は無かったのです。
しかし、自分の直属の上司には読まれずとも、これらの努力が元となり、その上の上司や、業務で関連のある他部署のマネージャーにメールや報告書を読んで貰えた事で、徐々に形勢を覆す事が出来たのでした。
自分は今でも、ちょっとしたリマインド系のメールを除き、殆どのアウトプット※で上記のやり方を続けています。しかし今でもたまに気を抜くと「メール長い」「報告書も要旨のみで十分」と突っ込まれたりするので、まだまだ修行が足らんと自分を戒めています。
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なお、個人的な所感では、社内でのポジションが上がれば上がるほど、今回の投稿に記載した要件に対するハードルが上がって行くと感じていますので、自分のアウトプットに対する見直しは早ければ早い程よく、また継続的に取り組む事を皆様にお勧めします。
■おまけ:MECEって万能?
「MECE」と「So what? / Why so?」を愚直にやろうとすると、前述の通り文書のボリュームはふくれる一方です。そもそもこの手法はコンサルティングファームから生み出されたものであり、彼らの職域では漏れが無く、論理的な破綻が無い事が業務上の優先順位として高い事もよくよく理解出来るのですが、その手法を使う自分を含めた全ての方が「コンサルタント」の立場で仕事をしている訳では有りませんので、個人的には、あくまで自分の立ち位置やポジションから、ある程度内容にバイアスが掛かっても良いのではないかと思っています。
またこの手法でアウトプットがふくれる事がコンサルティング報酬を膨らます事と比例しているのではないか?と穿った見方をしてしまうのは、自分だけではないのでは?(お役所等は、未だに報告書の厚さ=仕事の量だけではなく質的に評価される等という噂もちらりほらり聞きますし)。
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