はじめての管理職

前々回の投稿で、自分に業務指示を出すインフラ担当の社員との関係が悪化した事を書きました。元々この方は決して悪い人ではなく、前回に書いた「無限皿回し」的なタスクも、一方的に自分に向かってその仕事を押し付けるだけで、押し付けた当人がラクをするばかりであれば自分も分かり易くぶち切れられたのですが、そうではなく「俺と一緒に「無限皿回し」しようぜ!力尽きるまで!」と、一緒に汗をかこうというスタンスでした。

向いている「ベクトル」さえずれてなければ、きっと仕事が5倍も10倍も捗っただろうと思いつつも、どうしても同じベクトルに顔を向ける事が出来ず、この会社に出向してしばらくの間「自分の考え方が間違っているんだろうか」と相当悩みましたが、前々回の投稿に書いたように、開発部門の社員に愚痴をはいた事をきっかけとして、ある程度自分のやり方で仕事が出来るようになってからは、「このままでは自分のメンタルが持たないから、もういい悪いではなく自分のやり方で仕事するしかないなこれは」と割り切る事にしました。

そして自分のやり方で仕事をする事は、同時に「無限皿回し」を部分的に否定する(時と場合により優先順位を下げる)事になる為、時より言い争いになりかける事もありましたが、元々の自分への指示がインフラ担当の社員の上長から出ていた事を盾に自分は自分の仕事を押し切って進め、インフラ担当の社員はそれを「俺のやり方にたてつきやがってこの野郎」位の勢いで、恨めしそうな目で自分をガン見しているという、それはそれで仕事が非常にやりづらい状態がしばらく続きました。

しかし、前回の投稿で書いたシステム負荷の増加をきっかけに以下の人事イベントが発生し、ンフラ担当の社員と衝突する機会そのものが減っていったのでした。

  1. システム増強や障害対応の対応が、インフラ担当の社員と自分の2名ではとてもじゃないけど廻らない状態になり、出向元の会社から若手が1名増員され、「無限皿回し」の負担が1/2になる。
  2. システム増強を矢継ぎ早に繰り返した事で、稼働監視や障害時対応をしなければならないサーバが倍増し、1名の増員でも追いつかない状況となる。結果1.の半年後にもう1名若手が増員され、「無限皿回し」の負担が1/3になる(サーバ台数自体は増えているので、直接的な負担はあまり減っていないのですが、それでも仲間が増えただけ気も楽になりました)。
  3. システム負荷への対応が徐々に落ち着いて来たところで、インフラ担当社員が別部署に異動(!)となり、インフラ部門は開発部門に統合された。
という具合で、なんと最後にはインフラ担当の社員が人事異動でインフラ担当から離れていったのでした。理由は勢いが足りなかった別部門のテコ入れとの事で、おそらくは会社が「俺と一緒に「てこ入れ」しようぜ!力尽きるまで!」というスタンスを買ったんだろうと思うのですが、何はともあれ自分に取っては正直ラッキーな人事イベントではありました。

そしてなんと、この人事異動の後、ほどなく自分も出向元の会社で管理職に昇格(!)したのでした。
これもまた、自分が昇格に値するような特別な働きをしたとか言う話ではなく、結果的に出向元の会社からの人員が増加し、また出向先の商売がガンガン廻っている状態が続くのであれば、今後も増員が見込まれるとの事で、それらの人員をまとめるのにたまたま一番古株だった自分がちょうど良かったようで、帰社日に出向元のマネージャーから「役職上げといたから、明日からうち(出向元の会社)の社員の面倒おまえがみてな」と唐突に言い渡されたのでした。

これまたラッキーな話で、おかげで年棒も相応に上がったのですが、仕事の内容は今までの現場仕事の加え管理職としてこなさなければならないタスクが乗っかった、いわゆる「プレイングマネージャー」状態となりました。事の成り行きとはいえ、昇進自体は自分にとってはうれしい事で、しばらくは調子こいて仕事をしていたのですが、その後自分が歳を喰うごとに、そのような形態での仕事の仕方に限界を感じるようになっていきました。

次回の投稿では、管理職になってからの仕事に対する心境の変化について書こうと思います。


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当エントリを含む、就職からアラフォーの現在に至るまでの8回に渡る転職履歴について、「転職履歴」のページにまとめました。
また、これまでの転職履歴で得た経験から、仕事に向かい合う為に必要なテクニックや、メンタリティ・思いを抽出し、「お仕事サバイバル」のページにまとめ直しました。 
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