日本人アウェーの仕事場

前回、買収先の会社でたまりにたまった有給をガッツリ消化した後に、派遣時代の先輩に紹介された会社へ転職したのですが、転職先の会社は、やはり派遣時代に講師として出向していた外資系大企業にて、PCインストラクターを担当していた際に知り合った方でした。

当時は「これからはWindowsNTの時代だ!」と、インテグレーションの案件と自分の担当していた研修をセットで顧客に売り込み、何件かの客先へも一緒に足を運んだりしていたので、自分も社長の事はある程度知っていました。
今回は海外で良さげなCRMパッケージを見つけたとのことで、当初は元々所属の外資系大企業で取り扱いをしていたのですが、自らが会社を立ち上げ日本総代理店になって一山当てると意気込んで独立したとの事でした。

当時のスタッフは10名程度と小さい会社で、社長と自分以外は全て中国人という、今までの職場とは違ったオリエンタルなムードで包まれていたのですが、殆どのスタッフは皆優秀で、入社した際には、今で言うとセールスフォースに良く似た、ある程度のカスタマイズであれば非常に簡単に、かつ短納期で対応可能なCRMパッケージの使い方を、懇切丁寧に教えてくれたのでした。

しかし一部のスタッフには、仕事の進捗やお客様からの問い合わせに、つい自分の身を守る為に嘘をついてしまうという問題も起きていました。もっともこれはお国柄や文化背景が原因ではなく、単に社会人として未熟である為に起きていた問題と見受けられました。自分もこれまでの職歴を振り返ると、数は限られるのですが、簡単に見破られる嘘や誇張表現をする人間は、残念ながら一定数存在する事を経験していたので、国が変わってもよくも悪くも仕事っぷりは個人の資質次第であることがよくわかりました。

さて、結局この職場も残念ながら長続きせず、半年そこそこで転職してしまいました。
その原因はなんでしょう?やはり異国のスタッフが多くて仕事がやりづらかったのか?いえいえそんな事はありません。仕事は普通に取り組む事が出来ましたし、Offの飲み会も文化の違いをネタに皆で盛り上がっていました。

では何で?という話になるのですが、CRMパッケージの個別お客様への導入案件が順調に進む裏で、実は日本での販売権取得でもめ事が発生していたのです・・・パターンとしては、海外から持って来たパッケージソフトがある程度日本で売れると、それを見ていた海外の本社が「チミんとこ儲かってるみたいだから、今度俺らが日本法人作るわ。今までご苦労さん。あ、ライセンスの仕切りは当然上がるからそのつもりで。」という、よくあるパターンです。

入社3ヶ月後くらいのときに、社長と飲んだ際にはじめてそんな話を聞かされ、社長は最後に勝つのは自分のつもりで軽い愚痴程度に自分にお話をしてくれたと思うのですが、それまで散々な目にあった自分の妖怪レーダーが反応するに十分なインパクトを持った話であり、もう前の職場で味わったような目にはあいたくないという思いで、そそくさと裏で転職活動をはじめたのでした。

最近の例で行くと、フェラーリが日本法人作ったという話がありましたね。あとバーバリーも直営になるらしいですし。


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