ベンチャー企業への転職【人生一発逆転?】

先週末にiphone5を手に入れたものの、腰を据えて触る時間が取れず、音声通話/メール/webブラウジングで留まっており宝の持ち腐れ状態になっている元アラフォーおじさんです。

今回はこちらの記事に触発されまして、この記事に絡む形で自分がベンチャー企業にいた時に思った事を書いてみたいと思います。
http://dennou-kurage.hatenablog.com/entry/2012/11/20/214122
単なる中小零細ブラック企業が、ベンチャー企業を名乗る理由 - 脱社畜ブログ


■そもそも「ベンチャー」って何?

上記の方も疑問を呈していますが、確かに猫も杓子もベンチャーかよ!と思えるような風潮があるように感じます。
そこで本来の「ベンチャー」って何?という疑問をgoogle先生にぶつけてみたところ、直球でこれだという回答は見つからなかったのですが、OKWaveに腹落ちする説明があったので、引用します。

正しい意味のベンチャー:
ANo.3 Master2000
「Venture」とは、元来「adventure」に由来します。つまり「冒険」です。米国の例をあげると、ベンチャー事業というカテゴリーが使用されてからすでに約40年経過していますが、簡単に言えば、当初は少数精鋭で、新しい商品、サービス、技術を柱に新会社を設立し、その資産価値を最大限にするためにIPO(店頭公開)を目指す場合やM&Aされることを目標とします。新商品や技術そのものに明確な価値や将来性が見込まれていて、それそのものが資金援助の対象となります(不動産や株が担保提供するのとは異なります)。米国のヤフーやアマゾン等は典型的な例でしょう。因みに、余談ですが私は米国で12年間、ベンチャーキャピタリストとしてベンチャーをマネージメントしてきました。

投稿日時 - 2000-02-15 10:32:46
12年前、ちょうどITバブルの頃にも同じような質問があったんですね。何とも感慨深い。

こちらは総務省の情報通信白書から。対象がITに限定されますが、参考になるかと。
ちょっと古い平成19年度版となりますが、以下に貼付けておきます。
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h19/html/j1215000.html
(5)我が国のICTベンチャーの現状:平成19年度版情報通信白書

双方に共通するのは以下2点。

  • 新たなビジネスモデル創出による市場の開拓等を通じて経済全般に活力をもたらすとともに、様々な企業の生産性向上や多くの消費者の利便性向上に資する
  • IPOM&Aをマイルストーンにしており、ベンチャーキャピタルや企業が何らかの形で投資している

ということで、「この会社すげーじゃん、儲かりそーじゃん」と思うような会社で、かつお金持ってる人(キャピタリスト・会社等)が「よっしゃ一口乗っかっとくか!」と思うような会社が、いわゆる真っ当な「ベンチャー企業」となるわけですね。


■ベンチャー企業に就職したい人が確認すべき事

なので、もしベンチャー企業に勤めたいと思うのであれば、自分自身も「目利き」になったつもりで、就職・転職しようとする会社が将来IPO出来るくらいの価値があるか、しっかり見極める必要があります。
最近ではIPOマイルストーンにしているようなベンチャー企業は、上場後を見込んでwebベージで積極的にIR情報を開示していたりする事もありますので、見極めを行う上で一つの目安になるかと。

また、冒頭で取り上げたこちらの記事にも書かれていますが、いくらベンチャー企業に入れても、ビジネスとして花開くか確証のない状態で人並み以上の苦労をする「見返り」が無いと、リスクを取る意味がありません。

自分が知る限り「従業員への見返り」は、「ストックオプション」や「従業員持株会」等、IPOM&Aが実現したら一般企業のボーナスでは得られない纏まったお金を入手出来るような手段で提供されます。

このような制度が無いベンチャー企業では、普通の会社には無いスピード感や新しいビジネスに関わる事で、得られるものは相応にあると思いますが、上記の「見返り」は得られないわけで、「自分が将来起業する時の為に勉強する」など相応の「志」がないとやってられないでしょう。
制度はあっても創業時の苦労を共にした従業員のみを対象にしており、中途入社の社員は対象外になるケースもあったりします。

仮に「志」があったとしても、先に取り上げたこちらの記事に書かれているように、腹黒い会社は従業員の「志」を悪用し、使うだけ使ってポイ、なんてこと往々にしてありますので、自分としては「見返り」も無いのに「うちはベンチャーだからごりごり働け」という会社は避けて然りかと思います。


■ベンチャー企業についてのアラフォーおじさんの経験

とはいえ、どんな会社がベンチャー企業なの?って考えると難しいですよね。会社がIPO目指していたとしても、それが叶うほど有益なビジネスかどうかは実際にやってみないと誰にも判りませんし。

ご参考までに、自分の経験やこれまで見聞きした話を取り上げてみます。

  • 昔派遣で勤めていた大手SIerは、今でこそ革新的なビジネスをしているわけでもなく、ごく「普通」の会社として存在するが、実はバブルがはじける前にIPOを果たしており、当時の自分の上司の同僚が、その時の益で釣り船屋をやっていたりする。
  • 自分もIPOを目標とした会社に創業メンバーとして加わり、入社と同時に株式を購入したが、2年で会社が潰れ株式も紙切れに。
  • その後の転職先では、創業メンバーではなかったものの、IPOを目指している最中の転職となり、わずかながらのストックオプションが付与される。数年後見事に上場を果たし、自分もちょっとした外車が買える程度の益を得る
というわけで、自分も失敗したベンチャー企業である程度纏まったお金が紙くずになった事、成功したベンチャー企業のおこぼれを授かった事の両方を経験してきました。
ただ成功した方も、自分に付与されたストックオプションにはしっかり複数年のロックアップがかけられており、市場で売買出来る頃には株価が寂しい事に...(´・ω・`)


■万人にはお勧め出来ない、けど...

振り返れば、自分は今まで「IPOを目指すベンチャー企業」に3回も身を置いています。え、上には2社しか出ていないって?...実は今身を置いている会社も一応上場を目指しているのです。今は昨今の不景気の影響など諸々の理由で、IPOどころの状況では無くなってしまっていますが。

しかし自分は3社のうち1社で「当たり」を引く事が出来ました。これはラッキー以外のなにものでもありませんが、宝くじの1等を引く確率よりは高く、また自身でIPOを目指して起業をするよりハードルも低いでしょう。

ベンチャー企業と言えば、冒頭で取り上げたこちらの記事にも書かれている通りハードワークが常ですので、例えば「ワークライフバランスを大切にしたい」等と思っている人には全くをもって不向きですが、経営陣自らもIPOを目指して血眼になっているようなベンチャーであれば、それに相乗りする事で自分のような学歴ハンデがあっても一山当てる事が出来る?かもしれません...