会議は不要か?コミュニケーションに必要なコストについて

皆さんは仕事での会議についてどんな印象を抱いているでしょうか。
時間の無駄!という人が多いんだろうなと思いつつ、会議の位置づけについて考えてみようと思います。


■会議はコミュニケーションのために必要な「コスト」

「この会議、何で俺がいないといけないの?」という状況、割とあるんではないでしょうか。自身の担当業務に大して関与がない会議に座ってないとならないのは辛いもんです。
「会議資料、徹夜で作りました…」というのも、ありがちではないかと。会議が迫る中、何度もダメ出しを食らいながら血眼になってひたすら100ページを超える資料を作り、参加者数分印刷してから間違えに気づき、全部印刷しなおしという悲劇、私にはありました…
こんな思いをすれば、会議なんて無い方が楽だ!と誰もが思うでしょう。自分も思いますよ。でも、仕事を進める上では避けて通れない…何故なのか?



(当たり前のことではありますが)会議は仕事を進める上での「コスト」だからです。普通の人間には、念力のような思いを込めるだけに相手へ思いを伝えることなど不可能ですから、コミュニケーションを取るためには、「伝えたいことを整理する」「伝える時間を作る」「説明する」など、一定のコストを要するのです。

グループウェアやビデオチャット(TV会議)等の普及により、これらを活用することで会議コストの低減は可能となりましたが、自分が知るかぎり会議における主流のツールにはなり得ていません。
重要度の低い会議はeメール回してオシマイ、で済むようになったかもしれませんが、重要な会議は依然としてface to faceが欠かせません。

遠隔拠点との会議はTV会議で済むのに、わざわざ本社まで出張なんてことも良くある事ではないかと。極論ですが、ホントにTV会議で良ければ、国と国の間の会合もわざわざ飛行機乗って移動する必要はありませんからね。
ちなみにTV会議は、出張頻度が減るだけでもコスト削減のメリットがありますので、全面否定するつもりはありません。


■会議は、参加者の前で「コミットメント」をする場

さて、ここからは持論となりますが、だからといって何でもかんでもface to faceでやりゃいいって訳ではありません。やはり「この会議、何で俺がいないといけないの?」とか、「会議資料、徹夜で作りました…けど、結局ろくに取り上げられずに終わってしまった」なんていう、ただでさえ足りない時間を浪費する目には逢いたくないのです。

なので、自分は会議の場を以下のように定義し、対処しています。

  1. 参加者全員にコミットメントをする場
  2. 以前コミットした内容通りに仕事が進んでいるか、否かを参加者に説明する場
  3. 上記を含め、説明する内容を参加者全員に納得してもらう場
  4. 仕事は、会議でコミットし、納得してもらった内容に基づき進める=「議事ドリブン」
上記を簡単に解説してみますね。
会議参加者は自分がコミットする内容を説明する相手に絞ります。他の会議に参加していない関係者には議事を回すだけで、それを伝えるは参加者の仕事とします。

また、会議の席では参加者の賛否や意見を(「聞く」のではなく)「残す」貴重な機会です。もし会議の席で腹の底から賛同を得られていなくとも、それを意見表明しなければ「記録」は残りません。なので、議事をベースに正々堂々仕事を進めることが出来るわけです。実際には、反対こそされずとも余計な宿題がついてくることもままあるのですが、それも仕事のうちと割り切るしか無いですね。
上記の唯一の例外はブレストですね。アイデア出しは時間の枠だけ決めておいて、あとは自由にやるのが良いかと。


■情報共有「だけ」の会議はクソ食らえ!

ただ、会議の場で喧嘩してもいいことは一つもありません。そういやTVドラマの「半沢直樹」では、最終回に取締役会で常務とガチ衝突の上、子会社出向で幕を閉じましたね…
参加者の門前で醜態を晒すくらいであれば、合意形成は会議前に関係者に個別説明の上、会議では皆の前でコミットメントを得る場として目的を絞るのが理想です。

逆に言うと、ここまで詰めてやらんでいいような会議は、個人的にはもう会議じゃなくて良いだろ、と思うわけです。特に「情報共有」の名のもとに招集される会議は、時間の無駄以外の何物でもなく、「eメールでやれよ」と。

そんな自分の会議に要している時間を計算してみたところ、定例会議で6時間、アドホックに入ってくる会議を平均1〜2時間程度と見立てて足すと、週に1日は会議に費やしていることに気がついた…あぁ(溜め息)。

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