なぜ低年収?職種別平均ランキングをサマってみる

年末も近くなり、ボーナスが気になる時期になってきましたね。
今年は久しぶりにボーナス上昇の明るいニュースが聞こえる中、記事をご覧の皆さんはアベノミクスの恩恵に授かれそうでしょうか。自分の会社は微妙です…

ボーナス次第で転職を考えている人も多いのではないかと思ったので、そもそもどんな業種だとガッツリもらえるのかをざっくり調べてみようとしましたが、今年も業種ごとにボーナスの水準に差が出ているとの観測もあるように、その時の業種別の景気感で大きく変動するため、ボーナス込みの年収ベースでgoogle先生に聞いてみました。

するとこんなページがhit。
平均年収ランキング(全100職種):DODA
https://doda.jp/guide/heikin/2012/syokusyu/data.html

ざっくりと確認した内容をまとめてみます。


■販売・サービス系の給与は低水準

まずは販売・サービス等の業種ですが、想定通り低いですね…
このカテゴリでトップの「スーパーバイザー・エリアマネージャー」で45位/100位中、平均456万だそうで。
何でそうなるか、これまでの投稿でも触れたことがありましたが、改めて。
  • 業種自体が低収益
    売上高が高くても、収益率が低いと結局従業員に還元される原資も少ないということですね。
  • 一人あたりの収益が低い
    サービス業は他の製造業等と比べ競合他社との差別化や付加価値が出しづらい事から、どうしても利益が低い分多量販売で益出し→人海戦術に頼らざるをえず、結果従業員1名あたりの収益も低くなる傾向にあります。
  • 人材に代替が効く
    差別化や付加価値が出しづらい業種=従業員の現場業務は業種内で大きな開きがない、かつプロセスが確定しており単純化されている事から、他業種に比べ代替の人材を探しやすい事が想定されます。
う~ん、ブラック企業の定義とオーバーラップしますね。これに「長時間労働」が乗っかったら満貫ですわ。年収の観点では「この仕事が好きだ」とか「他に選択の余地がない」等の理由がない限り、避けたほうが良さそうですね…


■IT業界は夢がある

ブラック企業といえばIT系もよく名前が上がりますね。ランキングを見ていくとピンきりで、例えば最下位は70位の「テクニカルサポート」で、平均年収408万となっています。
しかし一方で業種内の最上位は「ITコンサルタント」で5位、平均年収655万と「テクニカルサポート」と比べ250万近くも上昇しています。次点の「社内SE」も10位、平均年収588万と高水準です。

極論となりますが、これはずっと同じ業種で仕事を続けた場合、販売・サービス系だと最高峰が「スーパーバイザー・エリアマネージャ」で平均456万で頭打ちとなるのに対し、
IT系だと「ITコンサルタント」までがキャリアアップの範疇含まれ、年収も200万以上上昇の可能性を秘めているということです。

自分も仕事がIT系でなかったら、高卒なのに部長まで昇格するようなことはなかっただろうと思っています。なので、同じ職種で仕事をコツコツと続けても早々に頭打ちになってしまうより、伸びしろのある業種で仕事をするほうが夢を持って仕事を出来るのではないかと思うのです。ただ、「テクニカルサポート」から「ITコンサルタント」まで上り詰めるには、相当の学習や経験が必要なので、決して楽な道のりではありません。


■40超えて年収500万切ってる仕事は終わっている

一方で、先にも取り上げたように、サービス・販売業をはじめとしたいくつかの業種では、40代になっても年収が500万を割っているケースがちらほら見受けられます。
業種そのものの年収上昇幅が低い上、集計時点で管理職も一定数存在する40代以上で年収500万切っているというのはかなりキツイです。
これも何でそうなるか、考えてみました。

  • 職能が高くなくとも出来る程度の管理職ミッション
    最近ではパート店長が増えているようですが、要は正社員でなくても十分仕事がこなせてしまうということです。なので、その職種で年齢と職歴を重ねても年収は上がらないという結果に至ります。
  • 組織のフラット化
    近年では組織のフラット化が推進されていることから、そもそも管理職ポストが減少しており、業種を問わず年収を押し下げる要因となっていますが、特に管理職の仕事自体の難易度が比較的低い業種であれば、少ない管理職が多数の一般職を束ねる傾向に拍車がかかると思われます。

ということで、ガッツリ稼ぎたい人はボーナス支給額を眺めつつ、この先も自分の職種でガンガン年収を上げていけるのか、つぶしの利かない40代になる前に一度考えてみても良いかもしれません。

なお、今回参照したランキングでは平均値と中央値しか掲載されておらず、本来は最大値と最小値も見たかったところです。今回は職種で区切ってレビューしましたが、恐らくは結構職種毎にブレ幅が大きいと思われますので、決して平均値が低いだけでNo Futureとは言い切れません。ただ、平均値と中央値の差異、および20代と40代の年収Up率を眺めていれば、大凡の傾向は把握できると思われます。